パリ協定脱退 トランプ政権の環境保護局長官が反論
NHK 6月3日 6時09分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170603/k10011005251000.html

アメリカ・トランプ政権の環境保護局長官は、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から脱退することについて、アメリカ第一主義に基づく決定だと説明したうえで、温暖化対策には貢献していると国内外からの批判に反論しました。
アメリカのトランプ大統領は、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から脱退すると発表したことについて一夜明けた2日、ホワイトハウスで「この国への大きな貢献だった」と述べ、決定は正しかったと強調しました。

また、環境保護局のプルイット長官は記者会見で、「トランプ大統領は勇気ある決定をした。アメリカの国益を第一にしたものだ」と説明しました。

そのうえで、アメリカは温室効果ガスの排出量の削減など地球温暖化対策に貢献していると主張し、「国として謝るべきことは何もない」と述べ、国内外から相次ぐ批判に反論しました。

一方で、記者団から、去年の大統領選挙中、地球温暖化を「でっち上げだ」などと批判したトランプ大統領が、現在は温暖化を現実のものと信じているのかどうか繰り返し問われましたが、プルイット長官は明確に答えませんでした。

トランプ政権としてはロシアとの関係をめぐる疑惑への追及が強まる中、選挙中の公約を守り環境問題よりも雇用の創出を優先する姿勢を鮮明にすることで、支持をつなぎ止めたい考えと見られます。

●プーチン大統領はトランプ大統領に配慮する姿勢か

アメリカのトランプ大統領が「パリ協定」からの脱退を決めたと発表したことについて、ロシアのプーチン大統領は2日、サンクトペテルブルクで開かれている国際経済フォーラムで発言し、「巨大な存在のアメリカが参加しないのであれば、どのような合意もありえない」と述べ、アメリカの参加が不可欠だとの考えを示しました。

そのうえで、パリ協定でのアメリカの義務を変更するなど、アメリカが気候変動への対策で建設的な役割を果たせるようにすべきだと強調しました。

さらに、プーチン大統領は「いまトランプ大統領を批判することはしない。パリ協定に加わることを決めたのは、オバマ前大統領だからだ」と述べ、ロシアと関係改善に前向きだとされるトランプ大統領に配慮する姿勢を見せたものと受け止められています。