ロシアの片田舎の陰鬱とした市民生活を描くサバイバルゲーム『Survive In Russia』開発中。安い給料で酒を飲んで働き、オンラインカジノで銭を費やそう

2020年2月5日 10:52

 アレクサンダー・サブリン氏は、ロシアの奥地に住むごく普通の市民の生活を描くゲーム『Survive In Russia』のSteamストアページをオープンした。価格や発売日は未定となっている。


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(画像はSteam 『Survive In Russia』より)


 ゲームの主人公は秘密情報機関「KGB」のエージェントでもなければ、スーパーパワーを持つ超人でもない、ロシアの田舎に住むごく普通の市民だ。このゲームではそんなロシアの一般市民、それも主要な都市圏の外で住む者の1年間の片田舎生活をリアルに描くという。

 アレクサンダー・サブリン氏が開設したストアページによれば、ロシアの主要な都市以外に住む人々の生活は、人々が想像する進歩的なヨーロッパの生活からはかけ離れているという。そこには失望、憂鬱、無限のうつ病が蔓延し、壊れたアスファルト、安い給料、死の恐怖が広がる。氏は本作をプレイすれば陰鬱とした気分になると保証している。


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(画像はSteam 『Survive In Russia』より)


 本作では主人公が複数用意されている。60歳の教師「Filatov S.P.」は、数十年にわたり子供たちに教えを授けてきたが、ときおりそれは空虚なものだったと感じている。ベテラン教師として尊敬されることもあるが、目立たずに生きてきたため、賞賛されることなどまれだ。リタイアすることもできただろうが、わずかな年金では老後の生活もままならないため、今もなお教鞭を執っている。

 もうひとりの主人公は若き医者「Panko A.A.」。人々を助けたいと願って医者となったが、けっきょく彼は彼自身を救うことはできなかった。彼の務める市立病院は腐敗し、医療品は不足している。夢を押しつぶすように毎日の激務は続き、いつしかシステムの歯車のひとつになっていた。少しずつすり減っていく彼は、違法な行為にも手を染めるようになっていく。


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(画像はSteam 『Survive In Russia』より)


 現時点でゲームの全体像は示されていないが、1枚目のスクリーンショットでは体力と精神状態を示すと思わしきゲージと、ロシアの通貨であるルーブルのアイコンがついた数値表示がある。あわせて解説文を読む限りでは、日銭を稼いで生活費を支払いつつ、さまざまな人生の選択肢を選んでいくゲームになるようだ。

 たとえば血を沸騰させるような怒りしかわかない仕事を辞めたり、稼いだサラリーをすべてオンラインカジノにつぎ込むことができる。息子の学校で酒を飲んだり、裏金のために患者をよりよい部屋に入れることも可能だ。ただただ、その日その日を退廃的に楽しみ費やすかどうかを問う選択肢ばかり。最終的に本作には、9つの固有のエンディングが用意されているという。


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(画像はSteam 『Survive In Russia』より)


 普通の市民が生き残るために戦うゲームと言えば『This War of Mine』が思い起こされるが、特異な環境下でのサバイバルを描いた同作とは異なり、『Survive In Russia』はごく普通の市民の普通の人生が描かれるようだ。
 プレイ後の陰鬱とした気分を保証するという『Survive In Russia』は、キラキラな海外生活のイメージをたたき壊すような存在になるのだろうか。

ライター/古嶋 誉幸

https://news.denfaminicogamer.jp/news/200205a