『けものフレンズ』や『てさぐれ!部活もの』などの人気作品を世に送り出してきたアニメプロデューサー“福原P”こと福原慶匡氏(38)。アニメーションスタジオ『ヤオヨロズ』を立ち上げ、先の作品を手がけたたつき監督を見出すなどアニメファンの間では知られた存在だ。一方、昨年には声優の養成所『ヤオヨロズボイスラボ』を始動させ、次世代のアニメ界を担う人材育成にも意欲を燃やしている。今年一年はオーディションを相次いで開催し、新しい才能との出会いを“渇望”してやまない福原氏に、タレント育成の魅力や求める人物像などについて語ってもらった。

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■「これからの人」を見ているのが好き

 福原氏はもともと、シンガー・ソングライター川嶋あいをマネージャーとしてブレイクまで導くなど、音楽業界を経てアニメの世界に足を踏み入れた経歴の持ち主。アニメでもたつき監督を一躍有名にし、プロデューサーとしての手腕を発揮している。

――声優の育成を自ら手がけようと思われたきっかけは何だったのでしょうか

【福原】まず、ヤオヨロズを始めた後、芸能事務所のジャストプロ(※ヤオヨロズはジャストプロ内のアニメ事業部として2013年に始動した)に声優のセクションを起ち上げました。それは自分たちのところで作る作品に、比較的近い距離で僕らのスタンスに理解のある役者さんと組んだほうがクオリティーの高いものが出来上がると思ったからです。

そこから養成所を手がけるのに至ったのは、一つには事務所と養成所をセットでやる経営的なメリットというのもあったのですが、何より僕は川嶋あいにしろ、たつき監督にしろ、「これからの人」を見ているのが好きだし、見続けていたいんです。“発掘する”ということが好きで、以前はネットをチェックして面白そうなクリエイター、人物を常に探していました。今は忙しくなってそういった事もなかなかできなくなってしまったので、こうした場所(養成所)で「これからの人」を見ていけたらという思いです。

――埋もれている才能を見逃さず世に送り出すというのは福原さんのキャリアで一貫してるテーマですよね。

【福原】そういう思いの根っこにあるのって、僕自身が超メジャーな制作会社や事務所の出身じゃないっていうのがあるのかなと。つまり、誰から見ても分かるキラキラしてすごそうな人は僕のところには巡って来ない(笑)。だから自分で育てるしかないという自覚が常にあるんです。そして自分が直感でいいなと思った才能が、結果的に世に出て行くっていうのは最高にうれしい。

例えば売れてる監督、売れてる声優、売れてる原作を組み合わせてアニメがヒットしましたってなっても、「それは誰がやっても当然売れるでしょ」で終わる話になってしまう。なのでそういう世界に僕の存在価値はないというか。僕は、「この人のこの部分がいいな、この才能がいいな」と思ってくっつけてみて、そこまでやったらあとは本人たちが化学変化を起こす、そこまでを引っ張って来るのがすごく好きなんだと思うんです。まだ見ぬ才能を最初に見られる楽しさがあるっていうのが、僕がこの業界にいる一番の理由なんですよね。

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