戎光祥(えびすこうしょう)出版が2014年に発売した
岡田以蔵」に関する伝記が、2018年6月に突然売れ行きを伸ばしネットで話題になっています。
重版に次ぐ重版を呼んだきっかけは、累計1300万ダウンロード突破の人気スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」。
一体「以蔵本」に何が起こったのか? 戎光祥出版の丸山裕之編集長に聞きました。

 FGO効果で売り上げが伸びた本は、2014年1月に発売された松岡司さんの『正伝 岡田以蔵』。
幕末に「人斬り以蔵」として恐れられた岡田以蔵の謎多き生涯を、一次資料からまとめあげた伝記です。
 FGOは、伝説、神話、歴史上の偉人などの古今東西の“英霊”がキャラクターとして登場するゲーム。
2018年6月13日から期間限定イベント「ぐだぐだ帝都聖杯奇譚」が始まり、
新サーヴァントとして「岡田以蔵」「坂本龍馬」が実装。イベント内では屈折しきった人柄や自身の才能に対する自負、
そして龍馬との因縁や複雑な感情などが描かれ、多くのファンを生み出しました。

 丸山編集長によると、戎光祥出版の公式Twitterのフォロワーから「『FGO』に
岡田以蔵が登場するので宣伝した方がいい」とアドバイスを受けたのが全ての始まり。
助言に従い、「本日よりFGOにて坂本龍馬や岡田以蔵が登場するようですね!」
「推しキャラのリアルを知りたくなった方はぜひご一読ください!!
(FGO好きに届きますように)」とイベント初日の6月13日にTwitterで宣伝したところ、1000回以上リツイートされまし

「弊社社員は誰も『FGO』をプレイしておらず、どこまでブームが続くか分からなかったので、
当初は300部の限定重版を行うこととしました。ですが、その旨をTwitterに投稿したところ、
早々に300部以上のご注文をいただきました」(丸山編集長)

 1日で100件以上の注文が来る日もあるほどの予想を大きく上回る需要に、岡田以蔵の命日にあたる7月3日、
2刷で1000部の追加重版を緊急決定。その後も注文が止まらず、現在は4刷に至っています。
ゲームや漫画の影響で重版となったのは、戎光祥出版の本では『正伝 岡田以蔵』が初めてです。

 読者層も広がりました。「これまではおそらく一般の歴史好きな方が購入してくれていたと思いますが、
FGO効果で購入される方のほとんどは若い女性の方でした。ここまでのブームになるとは予想していなかったので、
社員一同とにかく驚いています。重版したこともそうですが、
必ずしもこれまでの弊社の購買層ではなかった若い女性をはじめとして、
今回のことをきっかけに、弊社のことを多くの方が知ってくださったのはうれしかったです」

FGO効果で売り上げが伸びた『正伝 岡田以蔵』
http://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/18/ma_oi01.jpg

6月に実装されたサーヴァント「岡田以蔵」
http://image.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/18/ma_oi02.jpg

ねとらぼ
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/18/news052.html