「comico」初の女子高生漫画家デビュー デジタル世代の漫画との向き合い方
2018-03-18 08:00 ORICON NEWS
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(C)キシヲ/comico
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漫画アプリ「comico」掲載の『名前のない距離。』の作者であり現役女子高生でもあるキシヲ氏。
2016年10月に初投稿した同作で『comico マンガ 全国学生選手権 2016』(応募総数508作品)を優勝し、「画力の高さや話の構成もしっかりしており、読み手を惹き付ける力がある」と編集部内で高い評価を得た彼女が、21日に契約作家としてプロ漫画家デビューする。
同アプリで現役高校生のプロ作家が誕生するのは初。「普段は友達とカラオケやカフェで恋バナしています」「自身の恋愛は良くはないですね」と話す今どきの女子高生の彼女に、デビュー前の心境や”紙”と”デジタル”の漫画の違いについて聞いてみた。

■漫画家デビューの一方「公務員になりたい気持ちはある」

プロの漫画家としてデビューすることになり、素直にうれしいです。両親からも反対はなく「自立してくれたらいい。努力が報われて良かったね」と喜んでくれました。
学校の部活動は美術部に所属していて、顧問の先生は「部活も両立しないとダメ」という人ではなく、「漫画が忙しかったら来なくても大丈夫だよ」と理解がありました。
漫画に集中できる時間を作ってくれたので、大賞を受賞してプロの漫画家デビューができたと思います。

『漫画家を目指すために大賞を取る』とか考えずに投稿したら大賞をいただきました。
編集部の人たちに『自分が書いた作品を読んでほしい』『自分の実力を試したい』という気持ちが一番でしたね。

小さいころは、漫画家のほかに声優やマスコミ関係の仕事に憧れがありました。
たくさんあった夢の中のひとつに漫画家があって、今回、ご縁があってなれる。まだ、プロとしての実感がありません。
本音を言うと現実的なことを考えてしまう性格なので、今回の受賞がなければ公務員を目指すつもりでした(笑)。
今でも心のどこかに公務員になりたい気持ちはあります。自分の夢を優先するというか、現実的なところに気持ちが行ってしまう。
漫画家でうまくいかなくても色々な選択肢を残しておきたい性格ですね。

■小学生からペンタブレットで描き続けるも「一度、漫画に飽きた」

「漫画を描く」と言うと、昔は”ペン”と”インク”に”紙”のイメージが強いですが、私は液晶タブレットで描いています。
小学6年生のころに、ペンタブレットを親におねだりして買ってもらい、漫画を描く環境がそろいました。ただ、一度漫画を描くことに飽きてしまって(笑)。
その後、熱を取り戻して高校2年生から本格的に読者のことを意識して漫画を描き始めました。
漫画についての勉強は、絵がうまい人の描写などを模写して少しずつアレンジする。
特に福山リョウコ先生の『モノクロ少年少女』は大きな影響を受けました。おしゃれというか、デザイン性がほかの作品と違うなと。
ストーリーのネタを仕入れるのは、ツイッターやネットニュースからですね。それを自分なりに調べています。

ただ、昔に比べたら漫画の雑誌は読まなくなりました。
それこそ昔は『ジャンプ』『花とゆめ』を毎回買っていましたが、今はアプリで読むことが多いです。
時間が空いて気軽に読めるスタイルが自分に合っています。紙の雑誌で読む子が減っているというか、世代的にもアプリで読む子が周りでは多いですね。

大賞受賞後、プロデビューに向けて半年くらい編集担当と打ち合わせや作業をしていました。
学校に通いながら両立するのは大変でしたね。時間がないのが一番にありました。
「話の構成や原稿に取り掛かりましょう!」となっても取り掛かれるのは帰宅してからで、時には明け方まで掛かる時もありました。
その場合は、少し仮眠したあと学校に向かいましたね。この生活が規則的になっていないので、最後まで慣れませんでした。
プロデビュー後が少し怖いです(笑)。