日本の歴史上の人物で最も人気が高い武将、織田信長。
謎の多い人物ではあるが、家臣だった太田牛一が著した『信長公記』という第一級の資料が残されており、
現在、信長に関するさまざまな史実は、この書物を基に考証されている。
しかし、その『信長公記』にさえ、ほとんど記述のない重要人物が存在する。信長の正室・濃姫だ。
油売りから立身出世を果たした"美濃のマムシ"こと斎藤道三の娘であり、政略結婚で信長の正室として尾張に嫁いできた、濃姫。
婚姻の事実は資料にも残されているものの、その後の記述はほとんどない。
濃姫は、信長以上に謎に満ちた人物なのだ。
この作品は、謎多き戦国美女・濃姫の人生に焦点を当てた、大型ドラマスペシャルだ。
"日本一の大うつけ"とよばれながら数々の奇跡を起こし、天下統一を成し遂げた男・織田信長。
その波乱の生涯を、最も近くから見ていた妻・濃姫。
濃姫の人物像、信長との夫婦像を新たな視点から描きだすと共に、
戦国という明日の我が身の運命すらわからぬ混迷の時代をたくましく駆け抜けた男女の生き様を綴っていく。

濃姫は、どんな女性だったのか…。濃姫の人物像を表す、こんなエピソードが伝えられている。
父・道三から懐剣を渡され、「もし信長が"うつけ"であったなら、その剣で奴を刺し殺せ」といわれた濃姫は
「もしかすると、父上を刺す剣になるやもしれませぬ」と言い返し、道三を唸らせたという。
気性の激しさと、群雄割拠の世に生きる女の決意をもった女性 ― 父ゆずりの強さを持ち、
ただ優しく、ただ賢いだけの女ではない、馬に乗り、槍も操る、"マムシの娘"。
だからこそ、信長は「自分の妻にふさわしい女」と惹かれ、彼女と共に天下統一を目指したのではないか…。
このドラマは、濃姫、信長、道三という強烈な個性と信念を持つ三者が織り成す、戦国絵巻。
時代劇版『ゴッドファーザー』ともいうべき、重厚で感動的な人間ドラマを作り上げ、若い世代が時代劇の面白さを再認識するような作品だ。

公式サイト
http://www.tv-asahi.co.jp/nouhime/