民主党政権で環境相などを務めた故松本龍氏のお別れの会が16日、地元の福岡市で開かれた。
帰路、会場で配られた追悼文を読んでいた時、スマホに飛び込んだ速報に仰天した。
当時の政権で「影の総理」と呼ばれた仙谷由人元官房長官の訃報だった。

 驚いたのは、松本氏の追悼文の筆者が偶然にも仙谷氏その人だったからだ。
追悼文によると「私は迷った時や判断しかねる時は、いつも龍さんに相談を持ち込み、彼の意見を聞いた」という当選同期。
松本氏が亡くなる1週間前にも、病床で手を握り合ったという。
「龍さんが呼んじゃったのかなあ」。松本氏の元秘書は17日、こうつぶやいた。

 3年3カ月で挫折した政権の一翼を担った2人が相次ぎ鬼籍に入り、当時の担当として複雑な思いが去来する。
彼らが目指した政権交代可能な二大政党の姿は風前のともしび。
おごる「1強」にくさびを打ち込む勢力が、健全な民主主義には必要だ。(池田郷)

西日本新聞 2018年10月18日 06時00分
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/desk/article/458306/