福島県福島市のJR福島駅東口で、ホテル辰巳屋や中合福島店が入る「辰巳屋ビル」と旧中合2番館、個人商店を含む市街地エリアが一体的に再開発される見通しとなった。今春、福島市の会社が辰巳屋ビルの土地と建物を取得。同社を含む地権者の組合が年内にも、商業施設やマンション、ホテルなど大規模施設の建設を視野に計画を策定する。現在あるビルや店舗は取り壊され、県都の玄関口のリニューアルが本格化する見込みだ。

 対象エリアの東側では、2021年4月に福島医大の新学部「保健科学部」(仮称)が開校する予定で、地権者側は医大の新学部と一体感を持たせることで中心市街地のにぎわい創出につなげたい考えだ。

 再開発の主体は、不動産賃貸管理業エスケーワン(福島市)や地元商店など地権者でつくる福島駅東口市街地再開発準備組合。対象区域は約1万2千平方メートルで、都市部の駅前再開発に関して実績のある不動産大手の野村不動産(東京都)が事業に協力する。

 エスケーワンは今年3月、再開発計画に賛同した辰巳屋(福島市)から辰巳屋ビルの土地と建物を取得。辰巳屋は同社とビルの賃貸借契約を結び、入居する中合などに転貸借している。

 辰巳屋の森岡幸江社長は福島民友新聞社の取材に対し「公共性を持つホテルを経営する企業として、新しい福島をつくる再開発に全面的に協力することを決めた」と述べた。今後のホテル経営については「再開発計画の流れに沿って対応するが、当面は今まで通り続けていく」と答えた。

 準備組合はホテル辰巳屋や中合の再開発計画への参加について「各テナントの意向を確認し、協議を進めていく」としている。準備組合は4月2日に発足。再開発計画エリアの地権者14人のうち12人が賛同した。



福島民友 2018年05月11日 08時00分
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