解体が決まった「コタンコロクル像」
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 白老町議会の民族共生象徴空間整備促進・活性化に関する調査特別委員会が12日に開かれた。アイヌ民族博物館敷地内の受付事務所や体験学習館などの解体費用を町が補助金として財政支援することを報告。同博物館のシンボルでもある、高さ16メートルある「コタンコロクル像」も老朽化のため解体する。町は今月30日に開かれる定例会1月会議に補正予算案を提出する予定だ。

 象徴空間開設に向けた整備に伴い、今年3月31日で閉館するアイヌ民族博物館。今春には国立アイヌ民族博物館の建築工事が始まるなど、4月以降、象徴空間関連の整備事業が加速する。

 これに伴い、3月末で閉館する同博物館が使用している受付事務所、体験学習館、トイレ、熊檻、犬小屋、コタンコロクル像などが解体される。博物館の建物は国が事務所として利活用するほか、チセ5棟は国が解体する。費用は約5000万円掛かるとされているが、同博物館は4月1日にアイヌ文化振興・研究推進機構に吸収合併され、閉館後2年間は営業収入を見込めないことなどから、費用分を町が補助金として交付し、財政支援する方針だ。

 解体に合わせて、展示しているヒグマ4頭は関係団体に引き取ってもらうよう交渉中。北海道犬5匹は所有者へ返還される。

 また、象徴空間整備が決まった当時から保存、移設を求める声が上がっていた同博物館のシンボル「コタンコロクル像」は、移設などを検討したものの老朽化が著しく、像内部の鉄柱も腐敗が進んでおり、安全面からやむなく解体する。「来館者の旅の無事」を見守ってきた像は、1969年に竹浦にあった坂田ランドに建立され、閉鎖後の78年に同博物館に移設された。製作から半世紀もの年月が経過している。

 解体は4月1日から5月31日までの期間で行われる見通し。

苫小牧民報 2018/1/15配信
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