津幡町笠池ケ原で18日、高さ約15メートルのスギの木の約13メートル付近から
下りられなくなった猫の「蓮(れん)」が非番の町消防本部消防隊員に助け出された。
16日午後2時半ごろには飼い主の室井幸江さん(75)が木の上で鳴く猫の声を聞いており、
2晩を木の上で過ごしたとみられる。

通常、動物の救助では消防隊は出動しないが、飼い猫を思う飼い主の気持ちが消防隊員を動かした。

室井さんによると、猫は体長約40センチの雄のアメリカンショートヘアで、2008年秋から飼っている。
9歳で人間の年齢では50代前半に相当し、普段は家の中で飼っているが、日中は外を歩き回っている。

蓮は16日、いつもは昼ご飯を食べに外から戻ってくるが、午後2時ごろになっても戻ってこなかった。
室井さんが名前を呼んで周辺を探すと、はるか上の木上から鳴き声が聞こえた。

室井さんは暗くなれば下りてくると思ったが、午後7時を過ぎても蓮は木の上。
室井さんが名前を呼ぶと、「にゃあ、にゃあ」と助けを呼ぶような声が聞こえた。
室井さんは、心配で夜中にも何度か声を掛けると鳴いて答えた。

17日午前7時ごろ、室井さんの夫がはしごをつなぎ合わせて助けようとしたが届かず、
午後2時ごろ、津幡町消防本部に相談した。
消防隊員はその日現場を確認。
翌日18日午前11時ごろ、当直明けの消防隊員が木に登って蓮を救出した。
蓮にけがはなく、下りてくると空腹だったのか、キャットフードを喜んで食べた。

室井さんは
「あの高さまでどうやって上ったのか不思議。イノシシに追いかけられて逃げたのかもしれない。
 とにかく無事で良かった」と胸をなで下ろした。

以下ソース:北國新聞 2017/10/20 02:58
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/HT20171020401.htm