毎日新聞 2017年9月22日 09時00分(最終更新 9月22日 09時00分)
24日、大阪の天神橋筋商店街で自身の体験を交えて

 「包丁人味平」で有名な大阪市出身の漫画家、ビッグ錠さん(77)が24日、大阪市北区の天神橋筋商店街で、太平洋戦争を題材に自身の体験を交えた紙芝居を上演する。
約30年前の終戦記念日に合わせて描いた読み切り漫画「風のゴンタ」を紙芝居にしたもの。錠さんは「大阪の戦後を舞台にした作品。大阪の人たちに見てもらいたい」と話している。

 錠さんは大阪市旭区出身。5歳だった1945年の太平洋戦争末期の空襲で被災し、自宅から母親と妹2人を乗せた乳母車を押しながら避難した。「当時の記憶はほとんどない。映画のワンシーンのように、真っ赤に燃える街は覚えている」と語る。

 「夏になると戦争体験を思い出す」という錠さん。「風のゴンタ」は、焼け野原となった大阪を舞台に、少年たちがたくましく生きる姿を描いた。紙芝居に関心を持ち、新たに描き直すなどして20枚組みの紙芝居作品として復活させた。
今年8月、現在暮らしている神奈川県で初上演。出身地で作品の舞台となる大阪での上演を希望していたところ、漫画家仲間を通じて今回の上演が決まった。

 錠さんは「自分たちが戦争の実体験を持つ最後の世代。紙芝居で戦後の子どもの様子を知り、それぞれ何かを感じてもらいたい」と話している。

 天神橋三丁目商店街振興組合と関西大学なにわ大阪研究センターの主催。上演は午後2時から関西大学リサーチアトリエ(大阪市北区天神橋3)、同4時から天三おかげ館(同)。いずれも入場無料。問い合わせは同館。【宮本翔平】

https://mainichi.jp/articles/20170922/k00/00m/040/199000c.amp