東京都青梅市河辺町にある無線操縦模型専門店「青梅モケイ」に飾られてきた旧陸軍の95式1型練習機
「赤とんぼ」の模型が、同機の復元に取り組んでいる立飛ホールディングス(立川市)に寄贈された。

亡き夫に代わって店を守ってきた中島ミチコさん(81)が、今月末に閉店するのを前に寄贈した。
模型は夫の得一郎さんが自作し、大切にしてきたもの。
ミチコさんは「主人が一番喜んでいると思う」と話している。

「青梅モケイ」は、得一郎さんが1971年に開業。
模型を自作し、製作過程や飛行結果を専門誌に連載したり、入門書を執筆したりと、
愛好家には知られた存在だった。

赤とんぼの模型は5分の1サイズで作られ、1999年の「航空ページェント」に出展し、展示飛行。
その後はほかの自作機などとともに店内に飾られてきた。

得一郎さんは翌2000年に66歳で亡くなり、その後はミチコさんが店を切り盛りしてきた。
しかしこの1年、悩みに悩んだ末に閉店することにした。
インターネット通販に押され、商売として成り立たなくなったほか、自身の年齢も考えての決断だった。

閉店を機に、夫の模型の引き取り手を探す中で、同店の愛好家クラブメンバーが立飛に持ちかけ、
「赤とんぼ」など模型2機が先月寄贈された。

だいだい色の塗装で「赤とんぼ」の愛称で親しまれた複葉式の練習機は、
立飛の前身・石川島飛行機製作所が1934年に開発。
現在、立飛では、来年の完成を目指して復元機の製作が進められている。

復元に取り組む飛行機開発メーカー「オリンポス」(青梅市)の四戸哲社長も同店の常連で、
赤とんぼの模型が飾られているのを知っていた。
「飛ばせる模型としてはかなり実機を再現している。
 閉店は残念だが、立飛さんが引き取ってくれたら、と思っていたので、ほっとしている」と話す。

寄贈された模型は、展示も検討されている。

ミチコさんは
「多くの人に見てもらえるようになれば、主人も喜ぶはず。
 閉店はするが、これで主人も許してくれるのでは」と話している。

写真:寄贈された赤とんぼの模型
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20170804/20170804-OYT1I50006-L.jpg
写真:中島得一郎さんの自作機などが飾られた店内に立つミチコさん
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20170804/20170804-OYT1I50007-L.jpg

以下ソース:YOMIURI ONLINE 2017年08月04日 17時46分
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170804-OYT1T50015.html