兵庫県三田市が運営する「ふれあいと創造の里」(同市四ツ辻)にある遊泳プールが岐路に立っている。

毎年、オープン期間の1カ月半で約2万人が訪れる人気スポットだが、
市は「安全性を確保するための維持管理コストが大きい」と廃止の検討に乗り出した。
将来の存廃が見通せない中、15日には今シーズンの営業が始まる。
(山岸洋介)

施設は1980年代から体育館や陶芸館、住民活動の拠点施設などが順次整備され、
「ふれあいプール」は92年に開業。
最盛期の94年には約3万9千人が利用した。

大プール(約千平方メートル)と幼児プール(約160平方メートル)を備え、家族連れに人気。
波や水流を起こす装置はなく、水深も浅いが、
藤田崇宏所長は「それが逆に『安全に泳げる』と選ばれている」と話す。
料金は当初から400円(小学生以下200円)のままだ。

一方、市は「人口増に伴って集中整備した公共施設が一斉に老朽化し、財政を圧迫する」として3月、
「今後30年で公共施設の延べ床面積を12%削減」という計画を公表。
プールについても「老朽化が進行しており、廃止に向けた検討を進める」と言及し、料金の見直しも示唆した。

市によると、人件費を除いた維持管理の年間コストは2015年度で約1350万円。
利用料金と税金で賄い、約840万円の市税が投入された。
また今後、大規模な修繕をするなら巨額の投資も必要になる。

市は近く、市内約120の公共施設について、それぞれ方向性を示す方針で、市の担当幹部は
「まだプールは大規模修繕の時期ではないが、将来それをするか否かが判断のポイントになる」と説明する。

ウッディタウン在住で小学生の子どもがいる常連の40代女性は
「子どもも喜ぶし、安心して遊べる場所。残ってほしい」と話した。

プールの営業は8月31日まで。
午前10時〜午後5時。
期間中は無休。

写真:廃止も含めた検討が進むふれあいプール
https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201707/img/b_10364856.jpg

以下ソース:神戸新聞 2017/7/13 05:30
https://www.kobe-np.co.jp/news/sanda/201707/0010364855.shtml