ハラールに対応した静岡おでん用の大根を収穫する服部芙志乃取締役(左)とニアズ・アハメド理事長=2016年12月下旬、藤枝市仮宿
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 焼津市保福島のさつま揚げメーカー「はの字食品」が、イスラム教徒が戒律に沿って飲食できる「ハラール」に対応した静岡おでんの商品化に乗り出した。イスラム圏からの訪日観光客に照準を定め、豚やアルコールを使わない製造工程の確立を目指す。

 大根は肥料と農薬を使わずに生産し、練り物も豚由来の成分を含まない原料のみで製造。しょうゆやみりんもハラール対応品を使用する。静岡おでん代名詞の黒はんぺんをはじめ、練り物や大根、卵などをパッケージにした業務用を想定し、服部芙志乃取締役(36)は「ホテルの朝食向けなどとして供給し、静岡の味を食べてほしい」と語る。

 同社は2016年2月から開発に着手。12月26日には藤枝市仮宿の静岡大農学部付属地域フィールド科学教育研究センターの農場で、試作用に栽培した大根約140本を収穫した。ハラール認証の取得を視野に、同認証などを行うNPO法人「富士山から世界」理事長でバングラデシュ人のニアズ・アハメドさん(46)を招いた。

 ニアズさんによると、本県では茶やマグロ・カツオのたたき、カレーなど約10商品がハラール認証されているという。ニアズさんは「東京五輪に向け、静岡空港のある本県にも中東、東南アジアからの観光客数は伸びる」と商機を見据える。

 同社は2017年冬をめどに、ハラール対応商品を市場に投入する予定。服部取締役は「静岡おでんを目当てに本県に足を運ぶイスラム圏の人が増えれば」と期待する。

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