「ちょっと待て!ちょっと待て!お前らよおお」
HIDEチャンは”やめろやめろ”と手を振りながら、しかしその顔は笑顔を隠し切れない表情であった

「お前らよおおもおおお」
フィリピンパブの話、じゃねーのかよ!?
おいおいおい〜〜〜
と言わんばかりにHIDEチャンはドラムスティックでテーブルの上にある「あさだ飴」の缶を叩き鳴らす

カンカンッ!
心地よい金属音は、「あさだ飴」の缶はすでに中身が入って無いことを示していた

明らかにHIDEチャンは活況に喜んでいるようだ

「お前らときたら、よう!!」

はて?

”お前ら?”─────

HIDEチャンの動きが止まる

”お前ら”って・・何だろう?

”お前ら”なんて本当にいるのだろうか?

急に眉間にしわを寄せるHIDEチャン
何かおかしい───
猜疑心にみちたその顔はまるでイソップ童話に登場する人食いハイイロギツネそのものだった

「おい」

HIDEチャンはモニターを凝視する