初老院─────

それは、住職である雷無和尚(24)に退職金もしくは保険金解約金など
まとまった財を預けることで「何もない初老」から一気に「僧侶」の称号を手に入れることができる救済型オンラインサロン寺院

本来、”人生の収穫”に失敗した初老が何を言おうと世間は聴く耳を持たない
だが「僧侶」であれば話は別である
僧侶というだけで、何を言っても「なるほど」と頷いてもらえるのである

あとは日々、読経(ライム)の修行を重ねることで高次の和尚を目指すだけ───

袈裟の色によってそのランクは示される
最上位は黄色で総住職の雷無和尚のみが身に着けることができた
次いで紫色は副住職の大恩寺和尚(71)、特命住職の本願寺重慶和(53)の2名
ここまでがいわゆる取締役でその下に”ヒラ””デッチカラー”として青、水色、ピンク、白と続いた

HIDEチャンは出家していないため「好きにせい」との扱いで
主に愛用のズッカジャージ、最近ではジョンエリオットなどを好きに着ていた

雷無和尚(24)には「もっと高いものを着るように」と何度か指摘されていた
寺院の中央にある独居房にはひととおりのDTM機材が揃っており出家者は自由に使うことができた

珍念和尚(白胴着)は足しげくここに通い、ひそかにリリックもトラックも自作
一気に階段をかけあがるべく「弾を温存」していたのである!!!

「勝てないなら出てくるなよ」

そう、今川にせよ勘助にせよヒトは勝てないのに出てゆく
それほどイキっているわけではなくても、結果的には出て行って負けてしまう

なぜ!