高校生記者コラム
スリランカ転校初日に言われた「お前はもう死んでいる」カオスな日々で成長した私

2022.08.09

眼鏡が結露するほどの湿度、3月なのに汗ばむくらいの気温、道路を当たり前のように闊歩(かっぽ)する象と牛、呪文のような言語を操るサリー姿の人々……。
中1の3月に私は父の仕事の関係でスリランカという国に足を踏み入れ、約2年半を過ごしました。ここではスリランカの「普通」を肌で感じて、翻弄(ほんろう)され、そして一皮むけてきた(笑)私の体験を紹介します。(高校生記者・わっちゃん=1年)




毎晩土砂降りか雷雨

赤道直下、インドの南に位置するスリランカは、年中高湿度高温で、毎晩土砂降りか雷雨です。英語が通じる国ですが、公用語はタミル語とシンハラ語で、ほとんどの人がこれらの言語を器用に操るマルチリンガルです。

 スリランカは仏教が多数派ですが、町の中はさまざまな宗教の建造物が当たり前のように混在する不思議な景観が広がります。都市部は高層ビルやショッピングモールがありますが、一歩道路を外れるとベニヤ板の屋台がひしめき合う商店街があり、現地の人々の活気を肌で感じることができます。





突然言われた「オマエハモウシンデイル!」

「日本での常識」と「超基礎レベルの英語」を装備してスリランカに乗り込んだ私は、現地のインターナショナルスクールに放り込まれました。転校初日にスリランカ人のクラスメートに言われた言葉は「オマエハモウシンデイル!」(しかも発音が素晴らしい)。「北斗の拳」からの引用であることを知らなった当時の私は、あぜんとしたと同時にこのカオスな状況にワクワクしていました。

その後も、「品川プリンスホテルに泊まったことある?」「これドラえもんの20周年記念バッグなんだよね~」「センパイってどういう意味なの?」などと、みんなの親日ぶりがあふれる会話をたくさん交わしました。みんなアニメから日本語のフレーズを習得していて、教室では覚えた日本語で意味深な会話を交わすクラスメートが続出していました。




「新しいもの」を吸収するのに貪欲
https://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/9065