石川県能登町宇加塚の民家で昨年3月、県立能登高校1年の池下未沙さん(当時16歳)が殺害された事件を受け、同町は5日、池下さんが連れ去られたとされるバス停を同校正面に移転し、運用を始めた。

 10日で事件発生から1年になるが、町は防犯カメラの増設などで地域の防犯意識を高めることを目指している。

 能登町によると、バス停は、周囲の目が届きやすいように、同校南側から東に約30メートル移し、校舎前に新設された。待合スペースは三方が透明なアクリル板で囲われ、近くには防犯カメラも設置された。旧バス停は3月末までに、撤去される。

 能登高校では、全校生徒約200人のうち、半数程度がバス通学者。生徒からの要望などを受け、同校PTAが昨年からバス停の移設を求めていた。バス通学の同校1年の女子生徒(16)は「新しいバス停は開放的で周りが見えやすく、安心して通える」と話した。

 同町はこれまで、同校と町内の9小中学校の周辺に発光ダイオード(LED)の街灯を102基、防犯カメラを32基増設するなど、登下校時の安全性を高めてきた。町危機管理室の担当者は「防犯カメラや街灯だけでなく、地域の目でも登下校時の安全を守ってもらえれば」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20180306-OYT1T50055.html