名建築の校舎、女子トイレ不足 滋賀の高校、増築難しく
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171025-00000002-kyt-soci

 「近江商人の士官学校」として戦時中に男子向けに建てられたヴォーリズ建築の八幡商業高(滋賀県近江八幡市)で、3年生のフロアにある女子トイレの個室が二つしかなく、休憩時間に使用できない生徒が出ている。滋賀県教育委員会も調査を始めたが、トイレの増設場所がなく、解決のめどはついていない。

 現校舎は1940年に建設され、県立高46校では突出して古い。同高によると、昭和40年代に女子が増え始め、50年代に男女比が逆転した。現在、全校生徒717人のうち女子が65%を占める。

 3年女子は153人いるのに対し、教室がある校舎3階の便器は和室と洋室の一つずつで、授業の間の休憩時間(10分間)にはトイレ前に列ができる光景が常態化。一つの便器を76・5人で分け合う計算で、2年女子の10・3人、1年女子の13・5人、3年男子の42・5人を大きく上回る。

 生徒会長の山本永愛(えな)さん(18)は「階が違う2年生や1年生、体育館のトイレにも足を運んでいるけど、空いていない時は諦めて我慢している。数を増やしてほしい」と訴える。

 生徒の願いは切実だが、3階は教室と総合実践室、美術室、進路資料室で埋まっており、小澤仁志事務長は「トイレを増やそうにも場所がない。3階を増築できないか調べたが、技術的に難しいようだ」と語る。

 県教委総務課は「各校の便器や生徒の数、老朽化の状況を調査している。洋式化や老朽化とは別の課題があることも認識している。全体の整備の方向性を検討したい」としている。

10/25(水) 8:30配信