兵庫県福崎町福田のJR福崎駅前に設置されている河童(かっぱ)の「ガジロウ」像付きのベンチに取り付けられた将棋盤から、駒14個がなくなった。

 町の担当者は「いたずらで盗まれたのだとすれば、非常に残念」と憤っている。

 町は、地元出身の民俗学者・柳田国男ゆかりの妖怪たちを生かしたまちおこしを進めている。同駅前と辻川山公園(西田原)の妖怪像が付いたベンチは、今年3月末に設置した。

 駅前のベンチは、片脚を座面に乗せたガジロウが将棋盤に向かい、あごに手をあてて熟考しているデザイン。対面に座ると、ガジロウと対局しているような写真が撮れるため、人気の撮影スポットになっている。

 町によると、将棋盤と駒は木製の市販品。駒40個を盤に接着剤で貼り付けた上、業者が特殊なコーティングを施しており、「工具などを使わないと外れないはず」という。

 しかし、6、7月に3度、駅員から「駒が地面に落ちていた」と連絡があった。町職員が修理したが、その後も紛失が相次ぎ、今月14日現在、14個がはがされている。このうち11個は持ち去られて、行方不明という。

 町は今月下旬にも、駒を新調し、よりしっかりとしたコーティングを行うという。担当者は「防犯カメラや注意看板の設置も考えたが、観光地にはそぐわない。今後、同じ様な被害があれば警察への被害届提出も検討する」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20170814-OYT1T50115.html
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ガジロウ像付きのベンチ(JR福崎駅前で)