岐阜市の丸山慎一市議(65)=無所属=が政務活動費から旅費を支出して平成28年4月に三重県松阪市の商店街で視察したとする英会話教室などが、視察時点で存在していなかったことが12日、松阪商工会議所などへの取材で分かった。

 視察の報告書によると、丸山氏は28年4月27日、「岐阜市の商店街との比較」などを目的に、JR松阪駅前の商店街を日帰りで訪れ、政活費から旅費4340円を支出。「空き店舗対策として、英会話教室、地元商業高校の教師と生徒で簿記教室の誘致」などと、同商店街での視察内容を記した。

 しかし、松阪商工会議所や商店街の関係者によると、簿記教室は少なくとも5年以上前に移転し、2〜3年前からエステ店となった。英会話教室も5〜6年前に閉鎖し、たこ焼き店となった。

 丸山氏は取材に「商店街を30分ほど視察し、歩行者3人から話を聞いて報告書をまとめた」と説明。英会話教室などについて「見ていない。(歩行者から)そういう施設があると聞いたので書いた」と話した。政活費を返還する考えはないという。

 丸山氏は27年度の政活費でも、領収書を添付せずに出張時の宿泊費約2万7千円を水増し請求したことなどが発覚し、計約19万円を返還。視察先に行きつけの東京・銀座の天ぷら店が含まれていた。

http://www.sankei.com/west/news/170712/wst1707120045-n1.html