5月16日 5時27分
警察庁の坂口正芳長官は、国内最大の指定暴力団「山口組」のトップの出身母体がある名古屋市を訪れ、新たな抗争が起きるおそれがあるとして、愛知県警察本部の捜査員に対し、取締りや情報収集を徹底するよう指示しました。
「山口組」をめぐっては、おととし分裂した「神戸山口組」との間で対立が続く一方、先月30日には「神戸山口組」の傘下団体の一部が離脱し
新たな組織を立ち上げたと表明していて、警察は、離脱の動きが新たな対立抗争につながるおそれがあるとして警戒を強化しています。

警察庁の坂口長官は15日、山口組トップの出身母体「弘道会」の本部がある名古屋市を訪れ、愛知県警察本部で暴力団捜査を担当する捜査員など、およそ210人に訓示しました。

この中で、坂口長官は「神戸山口組との対立が原因と見られる事件は減少しているが、最近、神戸山口組の傘下組織が新たな団体を結成する動きが見られるなど、情勢は複雑化・流動化している。情報収集を徹底してほしい」と述べました。

そのうえで、「弘道会が対立抗争の中心的な役割を担っていることは明らかで、愛知県警察が先頭に立ち、弱体化を図ってほしい」と述べ、取締りを徹底するよう指示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170516/k10010982861000.html