2017年03月23日 09時26分 日刊ゲンダイDIGITAL
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どこまで下がるか(C)日刊ゲンダイ

 株式市場の動きが怪しい――。兜町で、そんな囁きが急増している。

「21日あたりから日経平均は上昇しておかしくなかったのです。通常なら、3月末の年度末に向けてドレッシング(お化粧)相場が出現する時期です。
配当金を狙った『買い』も相当入る。ところが、株価は低迷したままです。何か不穏な感じがします」(市場関係者)

 為替相場が約1週間で3円近く円高に触れたことは株安要因だ。ただ、株価低迷のホントの理由は別にあるという。

「ここへきて海外投資家は『売り』に回っています。日本株の最大の買い手が、日本市場を見限り始めたのです」(証券アナリスト)

 東証によると、外国人投資家は3月第2週まで4週続けて「売り越し」だ。そればかりか、先週から「売り」に加速度がつき始めたといわれる。

「海外投資家は森友学園問題をマイナス材料ととらえ始めています。海外勢からみた日本市場は、良くも悪くも安倍相場です。安倍退陣がチラつけば、
相場は大崩れしかねません。海外勢から“アベクライシス”という言葉も聞かれるようになっています」(ちばぎん証券の安藤富士男アナリスト)

 海外勢は昨年10月から今年1月第2週にかけて、約2兆8500億円を買い越したが、潮目は一気に変わったのだ。日経平均は
「ここを超えたら2万円到達は時間の問題」とされた1万9500円を突破したにもかかわらず、足踏み状態が続く。

「この先、日経平均は1万8000円台まで下落するとみています。何しろ日本市場は買い手不在です。日本株を買っているのは、いまや日銀だけなのです」(経済評論家の杉村富生氏)

 日銀は今年に入ってから、きのうまでに1兆3447億円のETF(上場投資信託)を購入している。昨年は6497億円に過ぎなかった。昨年の倍以上を投入しても、上昇相場が実現しない。

 アベクライシスは近づいている。

https://news.nifty.com/article/economy/business/12136-381509/‬;