症状の重さや社会的・経済的な影響も勘案

こうした感染症の危険度を互いに比較するには、複雑な計算が必要だ。
感染のしやすさ、致死率、症状の重さ、地域の封鎖に伴う社会的・経済的な影響の大きさなどを
勘案することになるからだ。

単純に致死率を比較するだけでは、どれが最悪の感染症かを判断しがたい場合もある。
例えばインフルエンザは、従来型のものであれH1N1のような新型のものであれ、
感染者は何百万人にも上りうるが、死亡に至る割合は比較的低く、そのうち0.1%ほどだ。
対して、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、
そして今回の新型コロナウイルス感染症「COVID―19」は、致死率の点でははるかに深刻だ。