定型の訴状

ここまでにお話ししたように、私は、主張立証責任があることしか書かない最小限の訴状とか、書式集の文例のような定型の訴状は、基本的に書きません。
ただし、そういう訴状が適切なケースもあります。どういうケースかというと、例えば貸金請求(貸したお金を借主が返さないから返せという裁判)
で借用証書があり借主も借りたことと返していないことは認めておりただお金がないから返せないと言っているケースや、
建物明け渡し請求で賃借人が賃料を何か月も滞納していて賃借人も賃料を支払わなければならないことは認めているがお金がないから払えないというだけのケースのような、
どう考えても原告が負けようがないケースです。こういうケースは、ある意味どんな訴状でも勝つわけですが、むしろ余計なことは一切書かずに裁判官の注意をそらさないようにしてあっさり判決をもらうという姿勢の方が正解になります。