・・・・・証拠開示制度の確立、取り調べの可視化が必要・・・・・
この事件は、なぜもっと早く決着をつけることができなかったのか。一つは制度上の問題なんですが、証拠開示の問題があると思います。
自分が手を引っ張ってその子を浄化槽に落としてしまったという園児の調書については、私たちは最初からわかっていたわけではありません。
執拗に証拠開示を裁判で争って、やっと開示させたという経過があります。そもそも検察官は、すべての園児について調べているはずですから、
そういうものが開示されず、真相の解明が遅れていったということです。
取調べの可視化、つまり、取調べをビデオテープとかテープ録音とかで、きちっと保存すべきだということです。
たしかに、甲山事件の場合も、園児の調べは録音されています。しかし、私たちがその録音テープを初めて聞い
たのは、最後の最後、第二次控訴審の裁判でした。そして、それは非常にスムースなやりとりをしているんですが、
それはあたりまえで、実は、録音するにあたり園児と事前にいろいろな練習をしてつくられているんです。私たちは
、園児がスムースに供述してるからといって信用できるわけではない、証拠になるわけではない。園児がもともとど
ういうことを言っていて、それがどういう過程を経てそういう結論になったのかということを調べるためには、テープを
全部開示してもらわないと意味がないんだと主張したんですが、検察官のほうはそのテープしかないと言い張ったんです。