小沢一郎と枝野幸男の密談情報 次はこう動く! 野党再編「迷走劇の舞台裏」

▼参加は半数超「国民民主党」離党者の本音
▼野党結集「最後のシナリオ」は参院選
 民進党と希望の党が合流し、国民民主党が立ち上がったが、これは野党再編の序章だ。
では、「再編の最終章」はどうなるか。そのキーマンは、小沢一郎・自由党共同代表と枝野幸男・立憲民主党代表だ。
再編のラストチャンスといえる彼らのシナリオとは―。
 GW(ゴールデンウイーク)最初の日曜日の4月29日。
東京・三宅島で釣り糸を垂れる姿が目撃された。小沢一郎・自由党共同代表だ。三宅島の行政関係者が言う。
「小沢氏は、夜に船で東京を出港し、未明に着くなり釣りをして、夕方の飛行機で東京に戻ったようです」
 船では仮眠もほどほどだろう。その日にとんぼ返りとは、釣りを楽しむどころか、かえって疲れに行くようなもの。
だが、小沢氏に近いベテラン議員はこう話す。
「過去、小沢さんは大きな行動を起こす時には、必ず直前に一人で釣りに行く。本人のこだわりです。
糸を垂れて頭の中を真っ白にして、いろんなことを考えると言っていましたね」
 とすれば、今回も「大きな行動」を起こすはずだ。一体、何か。それは「野党結集への最終バトル」(同ベテラン議員)だと言う。
 GW明けの5月7日、国民民主党が発足した。立憲民主党、民進党、希望の党のうち、民進・希望が一つになった。
だが、両党の所属議員は衆参合わせて107人いたが、新党に参加したのは62人。
民進党側の岡田克也常任顧問や安住淳・元財務相らは無所属になり、小川敏夫参院議員会長らは立憲民主へ。他にも、多くの議員が進路を迷って参加や不参加を決断した。
「岡田氏らは2党だけの先行合併では、立憲民主を含む幅広い野党の結集につながらない、という考え。
そもそも、合流する民進党の大塚耕平代表と希望の党の玉木雄一郎代表は保守色が強く、
立憲とは違う方向に行くのではないか、との疑心暗鬼もある」(民進党幹部)
 新党に参加した若手議員は本音をこう明かす。
「選挙に強くない若手は、選挙区事情に大きく左右されます。
私は立憲民主に行きたいが、国民民主は連合と密接な関係であることから結局、私は国民民主に決めました」
 一方、新党に参加しなかった面々のうち、希望の党側の細野豪志・元環境相、長島昭久・元防衛副大臣、松沢成文参院議員らは、
「自民党側を向いている。維新との連携も含め、保守色を強める」(野党幹部)という。
 こう見ると、新党結成は個々の議員がそれぞれ思惑を持ち、一致結束となるか疑問だ。
ところが、この再編劇を冷静に見ている野党コンビがいる。
それが、立憲民主の枝野幸男代表と先述の小沢氏だ。
「枝野シナリオ」を小沢が実行する
 実はこの二人は、かつての民主党時代、敵対関係だったが、
「枝野氏は昨年秋の総選挙後に小沢氏に連絡を取って和解し、以来、二人は時折、密談している。
“野党は一つの大きな固まりにならなければならない”と意見が一致。
小沢氏も“野党第一党の代表は総理候補だから、首班指名では枝野さんに入れる。
自分にできることは何でもやる”と枝野氏に話したようだ。二人は最近も連絡を取り合っています」(別の野党幹部)
 枝野氏は民進・希望の新党に対して、表向き「こちらから主導的に動くことはしない。
(立憲へ)来る者は受け入れるが……」と言いながら、陰では小沢氏と会うなど虎視眈々(たんたん)と野党再編シナリオを描いている。
 立憲民主党幹部は話す。
「枝野氏はスーパーリアリストです。勝つために変幻自在に戦術を切り替えていく。
枝野氏は大きな野党の固まりを作るのは当然という考え。
ただ、昨年の総選挙で、野党の離合集散に一線を画し、
立憲として筋を通して国民の支持を得たため、今は自ら動くことはない」