枝野 「共闘」ではなく「連携」だ

 肝心な1人区だが、候補者選びが遅れている。

「前回選挙では春過ぎてから決まった候補者でも十分戦えている。焦る必要はない。
候補者調整には野党第1党として一番の責任があると思っており、一本化しやすい人材を立てたい」

 その各党別比率をどうするか。1人区32を立憲15、国民14、共産3で割る立憲内からの案がある。

「そういう考えには乗らない。基本はこの人に一本化すれば皆がまとまれるという下からの積み重ねだ」

 共産党とは?

「安倍政権を倒すためには犠牲をいとわないという志位(和夫委員長)さんの覚悟は変わってないと思うし、僕らもそれは大事にする。
譲れる余地は小さいが、最大限譲らなければならないと思っている」

 立憲の支持率も低迷気味だ。『毎日新聞』の世論調査結果だと、立党直後の14%(17年11月)に比べ18年9月は9%、10月は11%だ。

「全く心配してない。過去50年の野党の支持率動向を見ると、
選挙の時がピークで、そこからズルズルと下がり、次の選挙でまた上がるのが定番だ。
極端な下がり方をしているわけではない。
8月、9月に下がったのは、国会閉会(7月)でこちらにアピールの場がなく、逆に自民党が総裁選で注目されたからだ。
実際に10月には戻っており、想定通りだ。我々に問われるのは、今後国政選挙を経る中で階段状に上がっていくかどうかだ」

 一方で国民民主党の支持率は1%未満だ。

「他党であり連携相手である友党についてコメントはしない。
ただ、一般論として言えば、政治の世界は1+1が2になったり、1÷2が0・5になる、という算数が機能しない世界だ」

「そのことに気付かされたのは昨年10月の衆院選だ。民進党が二つ(立憲と希望)に割れたのに、
2党の比例得票総数は2倍になった。1割る2が2になった。足し算で政治を考えるべきではないと痛感した」

「1+1は2どころか1を切る、という感覚がさらに強まったのはこの半年だ。永田町での合従連衡は国民から支持を受けにくい。
自民党に対抗するのに1+1をやる必要がない。それぞれの違いを認め合って、それでも連携するところは連携する。
そのほうが大きなパワーを発揮する。そこの認識の違いだと思う。多分1+1が2になると思っていらっしゃるんだと思う」

 複数区では一本化しない。比例では別々に戦う。
国民民主党からは、昨年の一連の合流問題の尾を引いた怨念(おんねん)政治ではないか、とのため息も漏れる。

「うーん、怨念は少なくともこちら側、私にはないが、認識、意識のズレがあるのは間違いない。
政党が違えば当たり前なのであまり気にする必要はない」

 国民には結果的に立憲に吸収合併されるのではないか、との危機感がある。

「我々は合併しない、そういった意味での再編はしない、と言っているのでそれは被害妄想ですね」

 組織としては合併しないが一人一人で出て来いと?

「それも理念・政策が一致しないと困る。1人区を1人に絞る以外のことは来年の参院選まではないし、将来にわたってもありません」