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A Credit Suisse Group AG office building at night in Bern, Switzerland, on Wednesday, March 15, 2023. Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg

世界の富裕層のためのバンカーとしてのスイス銀行業界の役割は、組織としての思慮深さや地味な信頼性の上に築かれたものだ。こうした高い評価故にクレディ・スイス・グループの不祥事や法廷闘争、赤字拡大が与えた衝撃は大きく、理解を困難にしている。3月半ばに同行の山積する問題への不安は膨らみ、株価が急落。経営陣は同行に対する信頼の表明をスイス国立銀行(中央銀行)に求めることを余儀なくされた。

Credit Suisse in Crisis: Can It Survive? - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Y3bUtWtoIA8
投資家はクレディ・スイス・グループの株価急落に反応/Source: Bloomberg

1.何が悪かったのか?
  クレディ・スイスでは近年、ブルガリアの麻薬組織によるマネーロンダリング(資金洗浄)を巡る有罪判決、モザンビークでの汚職への関与、元従業員と幹部が関与したスパイ・スキャンダル、顧客データのメディアへの大量リークなど不祥事が相次いでいた。

  これに加え、破綻した英金融ベンチャー、グリーンシル・キャピタルの創業者レックス・グリーンシル氏や、破綻に至ったアルケゴス・キャピタル・マネジメントとの関係が明らかになったことで、内部統制の甘さが浮き彫りになった。この結果、多くの顧客が同行に見切りをつけ、2022年後半に前例のない規模の顧客流出が進んだ。

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Credit Suisse Deposits Plunged Last Quarter
Bank said money outflows haven't yet reversed in first months of 2023
(銀行の預金残高推移を示す折れ線グラフはコピーできないので元ソースからご覧ください)
Source: Company filings

2.直近の株価急落の要因は?
  ウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者(CEO)は顧客とその資産を取り戻すイニシアチブに着手し、1月には預金が「純流入」になったと発表。成果が上がりつつあると思われた。しかし同行は年次報告書について米証券取引委員会(SEC)に問いただされ、3月9日に予定していた同報告書の公表を延期。さらに10日に米銀シリコンバレー銀行(SVB)が破綻し、パニックが広がった。投資家は金融リスクと預金流出の恐れがあるものを手放し始めた。

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「消えた12兆円を戻せ」クレディSが富裕層勧誘で1800人動員-関係者 - Bloomberg
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>>2 へ続く

原題:Credit Suisse Is in Crisis. What Went Wrong?: QuickTake(抜粋)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-03-15/credit-suisse-what-s-going-on-and-why-is-cs-stock-falling

2023年3月16日 11:33 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-16/RRKYQOT0G1KW01