日本郵便は、ドローンの高度な飛行「レベル4」を活用し、山間地などでの配送の効率化を目指しています。使用する機体の型式が13日に安全基準に適合していると認められ、今月中に国内で先駆けて「レベル4」の初飛行を行う見通しとなりました。

操縦士らが目視できない範囲でドローンを飛行させる「レベル4」については去年12月に法律が改正され、実現に向けて、機体の認証制度や操縦士の国家資格が新たに設けられました。

ドローンメーカー「ACSL」の機体がきのう、国の型式認証を受けましたが、日本郵便がこの機体を採用し、山間部などでの配送サービスに活用する方針であることがわかりました。

両社はレベル4の初飛行に必要な手続きを進めることにしていて、国の許可が得られれば、今月中に国内で先駆けて実用化に向けた初飛行を実施する見通しです。

日本郵便では、配達員の不足や配送に不便な山間部などでのコストが課題となっていて、ドローンの「レベル4」を活用したサービスを実用化し、配送の効率化につなげたい考えです。

ドローンを使った配送では、佐川急便や、ネット通販の楽天グループも実用化を検討していて、日本の物流のスタイルが変わる第一歩となりそうです。

型式認証の機体 最大1キロの荷物を運ぶことが可能
国土交通省は、ドローンを人がいる上空で目視できない範囲を飛行させる「レベル4」という高度な飛行をめぐり、日本のメーカーの機体が安全基準に適合しているとして初めて型式認証を行いました。

去年12月に解禁された、ドローンを市街地など人がいる上空で操縦士らが目視できない範囲を飛行させる「レベル4」では、より厳格に安全性を担保するため機体の認証制度や操縦士の国家資格が新たに設けられました。

これを受け、国土交通省は日本のドローンメーカー「ACSL」が開発した「PF2ーCAT3」という機体について、設計の安全性や製造の均一性を審査した結果、基準に適合しているとして、この機体の型式認証を行いました。

機体は全長が1メートル余り、幅が1メートル20センチ近く、高さがおよそ60センチで、最大で1キロの荷物を運ぶことができるということです。

万が一、部品が壊れても飛行を継続できるよう重要な部品は2つずつ搭載されているほか、機体が一定以上傾くと自動的にパラシュートが飛び出すようになっているということです。
2023年3月14日 6時58分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230314/k10014007191000.html