セブン&アイ・ホールディングス(7&iHD)が、傘下の百貨店事業会社、そごう・西武を売却する方向で最終調整に入ったと日経新聞電子版が31日に報じた。売却額は現時点では2000億円以上を想定しているもようだという。

日経の報道によると、7&iHDは不振が続く百貨店事業を切り離して、海外を中心に成長を見込むコンビニ事業に経営資源を集中する考えで、売却先は複数の投資ファンドや事業会社が候補になる見通しだという。2月中に価格などの条件を含めた交渉に入り売却先の選定を開始すると伝えている。

そごう・西武のウェブサイトによると、現在西武が6店舗、そごうが4店舗を運営している。関連会社には雑貨を取り扱うロフトもある。

7&iHDが7月に発表した2026年2月期までの中期経営計画では、抜本的な事業構造改革やシナジー創出などによる利益の底上げを通じ、重点成長分野に経営資源をシフトする方針を示していた。さらに、一部事業の譲渡先として「ベストオーナー」を検討する計画も明らかにしていた。

7&iHDの広報担当はブルームバーグの電話取材に対し、あらゆる可能性を排除せずに検討しているのは事実とした上で、現時点で決まったことはないとコメントした。

同社の株主でアクティビスト(物言う株主)の米バリューアクト・キャピタル・マネジメントは26日、7&iHDの取締役会に対し、社外取締役による戦略検討委員会を設置して事業売却などの妥当性を検討するよう求める書簡を送付したことを明らかにし、書簡に対する見解を2月3日の定時取締役会後に公表するよう求めていた。

書簡では、7&iHDが戦略的な集中に欠けており、株価が適正価格を大幅に下回っていると指摘。株主としてグループ営業利益のほとんどを稼ぐコンビニエンスストア事業に集中すべきだと再三提言してきたが、同社が真剣に検討した様子は見られず「意思決定の遅さに危機感を感じている」と批判していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a505171c68de4755e24f9065171b6126db4a50e9