携帯電話事業の投資負担で楽天の赤字が拡大している。12日発表した2020年1〜9月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が714億円の赤字(前年同期は141億円の赤字)だった。携帯大手が値下げに動くなか、楽天は全国での基地局の整備計画を5年前倒しし負担が増す。事業黒字化に向けては、顧客獲得の起爆剤が必要だ。

「楽天経済圏のポイントアッププログラムもあり、優位性はある」。12日に開いたオンライン会見で、三木谷浩史会長兼社長はこう話した。菅義偉政権の要望を受け、KDDI(au)やソフトバンクが値下げ策を公表したが、データ通信量が無制限で月額2980円(税別)とする自社回線の携帯プランの価格競争力を強調した。

同日、自社回線携帯の11月時点の契約申し込みが160万件を超えたと明らかにした。23年度に700万件規模の顧客を獲得して携帯事業を黒字化する目標を掲げており、三木谷氏は「順調と考えている」と現状に自信をみせた。

総務省が携帯の乗り換え時の手数料を下げる方針を出し「政策面の追い風もある」(山田善久副社長)。20年末に300万件を目指しており、まずはこの目標を達成できるかが焦点だ。
以下ソース
2020/11/12 21:29 (2020/11/13 5:15更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66160650S0A111C2TJ2000/