東芝(2部、6502)が11日発表した2020年4〜9月期の連結決算(米国会計基準)は、営業利益が前年同期比94%減の31億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大により、データセンター向けのハードディスクドライブ(HDD)事業で遅れが出た。加えてエレベーターなどビル関連で案件が延期になったり複合機の需要が減少したりするなど、幅広い事業で影響が出た。新型コロナの影響が営業利益を702億円押し下げた。

売上高は20%減の1兆3713億円だった。最終損益は34億円の黒字(前年同期は1451億円の赤字)だった。前年同期に計上したLNG事業の譲渡損失が無くなった。キオクシアの持ち分法損益も改善した。

未定としていた2021年3月期(今期)の期末配当について、1株あたり前期末比20円増の30円とすると発表した。中間期末の10円(前年同期も10円)と合わせて、年間配当は前期比20円増の40円となる。

議決権比率で40%を保有するキオクシアホールディングス株についてはメモリ事業を運営する経営戦略上の意図は無いとし「株式の現金化の可能な方策について継続的に検討している」とした。現金化された際には手取り金純額の過半を原則として株主還元に充当するとしている。

21年3月期(今期)の連結業績見通しについては、足元の状況を反映し売上高を前期比9%減の3兆900億円と、従来予想である6%減の3兆1800億円から引き下げた。営業利益は16%減の1100億円の見通しを据え置いた。純利益の予想は開示していない。
2020/11/11 13:39
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL11HP6_R11C20A1000000/