4日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続伸し、前営業日比399円75銭(1.7%)高の2万3695円23銭で終えた。終値では2月13日(終値2万3827円)以来の高値を回復した。日本時間4日午前から米大統領選挙の開票作業が始まり、勝敗が早期に決まる可能性が浮上した。混戦で決着がつかないことで政治的空白が発生するリスクが遠のいたとの見方から、不透明感で売り持ちのポジションを取っていた投資家の買い戻しが広がった。

場中では、勝敗を左右する激戦州とされたフロリダ州でトランプ氏勝利と海外主要メディアが伝えた。市場関係者が最も恐れていた「僅差で両者が勝利宣言を出す」といった混乱が回避されそうだとの見方が投資家心理を上向かせた。午前には一時下落していた米国株の先物相場が、昼ごろから上昇に転じたことも相場を支えた。特にハイテク株で構成するナスダック100株価指数の先物「Eミニ・ナスダック100」が一時4%超高と大きく上昇した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは「このままトランプ氏が再選されれば、民主党のバイデン氏に比べてIT(情報技術)企業への規制強化方針が薄まるとの期待でナスダック100の先物相場が上昇し、日本でも相場を押し上げた」とみる。市場ではトランプ氏の法人税減税などの政策案を改めて評価する動きも広がっているという。

JPX日経インデックス400は続伸。終値は前営業日比193.39ポイント(1.3%)高の1万4672.52だった。東証株価指数(TOPIX)は続伸し、19.30ポイント(1.2%)高の1627.25で終えた。

東証1部の売買代金は概算で2兆5601億円。売買高は13億0233万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1524と、全体の約7割を占めた。値下がりは573銘柄、変わらずは82銘柄だった。

2日の取引時間後に好決算を発表したフジクラは28%高で終えた。NTTデータも大幅高。場中に今期連結純利益を上方修正したSUBARUも高かった。中外薬、第一三共、アステラスなど医薬株の一角も買われた。一方、決算発表の延期を発表した三菱マが売られた。出資するアリババ傘下の金融会社アント・グループが上場延期と発表したソフトバンクグループも安かった。キヤノンや中部電、ヤマトHDが下落した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/11/4 15:29
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_U0A101C2000000/