半導体大手のルネサスエレクトロニクスは英半導体設計大手のアームのIP(知的財産)を活用したマイコン製品群「RAファミリ」を拡充する。処理速度が速いマイコン9種類を発売し、アームIPを採用した製品を3割増の42種類に増やす。対応ソフトやサービスが充実したアームIPの品ぞろえを拡充し、主力のマイコン事業の拡大を狙う。

あらゆるモノがネットにつながるIoT機器向けの汎用マイコンの製品「RA6」の高機能品「RA6M4」を発売した。最大動作周波数が200メガヘルツで、処理速度が従来品より7割速くなる。回線幅は40ナノメートル。待機状態から起動までのスピードも速いという。

ルネサスは2019年10月にアームのIPを採用したマイコンを発表。同年11月に対応ソフトやサービスを提供する外部企業を募る「RAパートナエコシステム」を開始した。

一方、20年10月にはアームの対抗馬として存在感を高めているオープンソースの半導体設計IP「RISC-V(リスクファイブ)」の開発に着手すると発表。アームとリスクファイブへの対応を両にらみで進めることで、自社製品を幅広く普及させたい考えだ。(広井洋一郎)

2020/10/7 15:17
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64718170X01C20A0X20000/