米マイクロソフトは9日、ゲーム機「Xbox」の新型機を11月10日に発売すると発表した。描画性能を高めた主力の「シリーズX」は499ドル(約5万3千円)で、価格を抑えた小型機もそろえる。大幅刷新は7年ぶり。同時期に「プレイステーション5(PS5)」を出すソニーがどのような価格を付けるかが焦点となる。

シリーズXは米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)と共同開発したGPU(画像処理半導体)などを搭載し、多くのゲームを「4K」の解像度で快適に遊べるようにした。GPU性能は現行機「XboxOneX」の約2倍で、1テラ(テラは1兆)バイトのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)を記憶装置として備える。

このほか、価格を299ドルに抑えた「シリーズS」も同日に発売する。インターネット経由でのゲーム購入を念頭に光学ドライブを省き、SSDの容量を約半分にすることで低価格を実現した。サイズもシリーズXと比べて6割小さく、新たにゲーム機を購入する層の取り込みを狙う。現時点で日本での販売価格は公表していない。

今年はソニーもゲーム機を刷新し、年末商戦に向けて「PS5」を発売する。データの読み込み速度の速さなどを売りにしており、Xboxと同じく主力機と光学ドライブを付けない廉価版の2機種をそろえる。現行の「PS4」では販売台数でXboxに圧勝したソニーだが、PS5の価格情報はまだ明らかにしていない。今後どのような価格を打ち出すかが競争の行方を左右しそうだ。

新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増えたことで、ゲーム各社の業績は好調だ。マイクロソフトとソニーがそろってゲーム機の世代交代に動く年末商戦まで勢いは続く可能性が高い。マイクロソフトは100種以上のゲームが遊び放題になる「ゲームパス」や分割払いといった関連サービスの強化策も発表し、ゲーマーの裾野の拡大をめざす。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63658610Q0A910C2EAF000/