新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中、日立製作所は海外に出張する社員がPCR検査の陰性証明を速やかに取得できるよう、社内で検査ができる体制を整えました。

日立は、外務省の「感染症危険情報」が「レベル3」とされた地域には渡航を禁止するなど、海外出張を必要最低限に抑えています。

一方、今後、PCR検査の陰性証明を求められる地域に出張が必要になる社員が増えることも予想されるため、東京や茨城の拠点でPCR検査ができる体制を整えました。

このうち、東京・千代田区の拠点では、社内の診療所で1日当たり最大で8人程度の検体を採取できるということです。

検査では感染を防ぐため防護服を着た産業医が社員の鼻から検査キットを使って検体を取り、専用の袋に密閉したうえで検査機関に送られます。

検査の対象となるのはおよそ3万3000人の社員のうち、陰性証明を求められる地域への出張を予定している人で、費用は会社が負担するということです。

検査を担当する日立製作所の産業医の秋山義之さんは、「感染を広げないよう、安全対策を徹底している。検査を受ける窓口が社内にあり、知っている医療関係者が実施していることは社員の安心感にもつながると思う」と話していました。
2020年7月28日 20時13分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200728/k10012537521000.html