7日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸し、前日比373円88銭(2.01%)高の1万8950円18銭で終えた。新型コロナウイルスへの警戒感が後退して前日の欧米株が大幅に上昇し、国内でも運用リスクをとる動きが強まった。政府が7日に閣議決定する緊急経済対策への期待も支援材料となり、上げ幅は一時600円に迫り心理的な節目の1万9000円を上回る場面があった。

米国で新型コロナの感染拡大の勢いが鈍りつつあるとの見方から、前日のダウ工業株30種平均は過去3番目の上げ幅となった。欧州株も新型コロナをめぐり最悪期を脱しつつあるとの見方から軒並み上昇していた。国内で事業規模が過去最大となる約108兆円の緊急経済対策が打ち出されることも手伝って、景気敏感株などに買いが入り日経平均を押し上げた。

しかし買い戻しが一巡した後は伸び悩み、下げに転じる場面もあった。国内の新型コロナの感染者数は依然として増加傾向にあるなか「海外短期筋による先物買いが中心で、実需の買いは入りづらい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト)との声が聞かれた。緊急事態宣言の発動を受けた安倍晋三首相の夜の記者会見の内容を見極めたいとの雰囲気も次第に強まった。

JPX日経インデックス400は続伸。終値は前日比244.63ポイント(1.98%)高の1万2599.59だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、26.91ポイント(1.96%)高の1403.21で終えた。

東証1部の売買代金は概算で2兆8231億円。売買高は17億351万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1877と、全体の9割近くを占めた。値下がりは255銘柄、変わらずは36銘柄だった。

アドテストや東エレク、スズキやマツダが上昇。ガイシやクラレ、東ソー、住友化も高い。一方で緊急事態宣言で休業などを迫られるとの見方から、三越伊勢丹や高島屋への売りが目立った。デンカや富士フイルムも売られた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2020/4/7 15:24
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASS0ISS16_X00C20A4000000/