文部科学省は7日、新型コロナウイルス対策として、次世代の国産スーパーコンピューター「富岳(ふがく)」を活用した研究を始めると発表した。治療薬候補の探索や、ウイルス表面のたんぱく質のふるまいの予測などに使う。富岳は2021年の運用開始を計画していたが、前倒しして試行的に利用を始める。

富岳は国産スパコン「京(けい)」の後継機。富士通が製造を担当し、神戸市にある理化学研究所の研究拠点へ搬入・設置が進められている。これまで21年の運用開始をめざしてきたが、新型コロナの感染拡大に対応し一部の設備、機能について前倒しで活用を始める。

具体的には理研の研究者らが中心となり、治療薬候補の探索やたんぱく質の分析のほか、感染拡大や対策のシミュレーションなどに取り組む。

このほか、東京大学や京都大学、産業技術総合研究所などがもつスーパーコンピューターも新型コロナの対策に活用する。4月15日から具体的な研究課題の公募を始める。

2020/4/7 12:08
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57751210X00C20A4000000/