英政府が公共放送BBCの受信料制度を廃止し、視聴する分だけお金を支払う課金制に移行させる方向で検討していることが明らかになった。16日付の英日曜紙サンデー・タイムズが報じた。世界の公共放送のモデルとなったBBCをめぐる動きは、日本でのNHK受信料の議論にも影響を与えそうだ。

同紙によると、政府のBBC改革案では受信料廃止のほか、現在61局あるラジオ局の大半を削減し、現在10チャンネルあるテレビの全国放送も減らす。インターネット放送を行っているウェブサイトも縮小し、BBCの人気出演者が副業で稼ぐことも禁じる。一方で、国際放送は強化する。ジョンソン首相周辺は「これははったりではない」と話しているという。
 BBCのクレメンティー理事長は今月12日、「受信料を批判する人々は、課金制によってBBCがどうなるかをよく考えるべきだ」と反発していた。
 BBCの受信料制度は2027年までは維持されることが決まっており、廃止はそれ以降になるとみられる。ジョンソン首相は昨年12月の選挙戦の最中、「テレビを持っている人全員が特定の放送局に料金を払う仕組みを、いつまで正当化できるのか」と見直しを表明していた。
 受信料廃止議論の背景には、米ネットフリックスなど動画配信サービスの世界的な台頭があるが、ジョンソン政権がBBCの報道姿勢にいら立ちを募らせてきた経緯もある。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020021600343&;g=int