スイスといえば時計産業の中心地で、ロレックスやオメガ、ウブロ、タグ・ホイヤーなどの高級時計ブランドだけでなく、スウォッチのようなリーズナブルな時計ブランドもスイスの時計ブランドです。しかし、2019年のスイス時計業界全体の販売台数が、Apple Watchの販売台数を下回っていたと報じられています。

Apple Watchはスマートウォッチ市場で圧倒的なシェアを誇っており、調査企業によると2019年の時点で市場の約半数を占めていることが明らかになっています。また、Appleの2020年度第1四半期(2019年10〜12月)の業績発表によると、Apple Watchを含む「ウェアラブル・HomeKit・アクセサリ」部門の売上高は、四半期ごとの売上としては初の100億ドル(約1兆1000億円)を突破しており、その原動力となったのはApple WatchとAirPodsです。

AppleはApple Watchの販売台数を明らかにしていませんが、市場調査企業のStrategy Analyticsが推定出荷台数を出しており、2018年の2250万台から2019年は3070万台まで増加したと報告しています。Apple Watchの推定出荷台数は前年比で36%増となっています。

Strategy Analyticsのエグゼクティブディレクターであるニール・モーストン氏は、「スイスの時計業界全体が2019年に出荷した時計の台数は2110万台で、2018年の2420万台から13%減少したと推定しています」と語り、Apple Watchの出荷台数がアナログ式のスイス腕時計の出荷台数を上回ったとしています。

ただし、Apple関連メディアのAppleInsiderは「Strategy Analyticsの公開したデータの正確性は明らかではありません。AppleはApple Watchの販売台数を1年以上公表しておらず、このカテゴリは大きなビジネスの中に組み込まれています」と指摘。しかし、「スイスの時計業界とApple Watchを隔てるマージンは小さくない」とも付け加えており、スイスの時計業界とApple Watchの出荷台数に大きな差はないことは明らかであるとしています。
2020年02月06日 13時00分
https://gigazine.net/news/20200206-apple-watch-overtake-swiss-industry/