日本工作機械工業会(日工会)が23日発表した2019年の受注状況(確報値)によると、年間受注総額は32.3%減の1兆2299億円で3年ぶりの減少となった。国内の自動車関連業界からの受注が前年比43.7%減の1398億円となるなど、自動車関連の低迷が鮮明だった。米中貿易摩擦で製造業全体の投資意欲が減退したことも響いた。

年間受注総額は国内からの内需が34.3%減の4932億円、海外からの外需が30.9%減の7367億円だった。日工会の天野正義専務理事は「景気への先行き不安が自動車関連などに影響した」と述べた。

外需を地域別でみるとアジア向けが38.2%減の2958億円、欧州向けが27.5%減の1772億円、北米向けが24.4%減の2462億円と軒並み大幅減となった。米中摩擦で中国の需要が低迷し、ドイツなど欧州も減速した。米国は「実体経済は堅調さがあったものの、夏以降は製造業に弱さが見られるようになった」(日工会)という。

19年12月単月の受注は前年同月比33.5%減の901億円となり、15カ月連続で前年同月実績を下回った。国内の自動車関連が低調だった。ただ、半導体製造装置や農機関連は堅調で、外需も北米が好調だった。北米では自動車関連の複数の大型案件が入った。

日工会は20年の年間受注は19年比で微減の1兆2000億円を予想する。現状の受注水準から回復を見込んだ数字で、次世代通信規格「5G」に関連した半導体関連の投資拡大や、米中貿易摩擦の協議進展に期待する声が多い。中村留精密工業(石川県白山市)の中村健一社長は「7月には目標を達成できる水準になると期待している」と語る。

2020/1/23 16:30
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54748840T20C20A1TJ1000/