飲食店の宅配代行サービスとして人気を集めている「ウーバーイーツ」。その配達員らで作る労働組合が、会社から一方的に報酬を引き下げられたなどとして、会社に対して団体交渉を申し入れました。

 最近、街中でよく見かける大きなバッグを背負った人たち。「ウーバーイーツ」の配達員です。「ウーバーイーツ」とは、スマートフォンのアプリから注文を受けた配達員が、レストランなどに代わって客まで商品を届ける宅配代行サービスです。手軽さなどから人気を集めていますが、働く側の「配達員」も“好きな時間に働いて報酬を得られる”として注目されています。ところが今、この配達員たちが怒っています。

 「僕たちに対する報酬のシステムを一方的に変更されましたので」(ウーバーイーツユニオン 前葉富雄 執行委員長)

 報酬を一方的に引き下げられたうえ、会社側が話し合いに応じないというのです。いったいなぜでしょうか?配達員の報酬は、配達した回数や距離に応じて支払われますが、先月末、突然、運営会社のウーバージャパンが「東京エリア」での報酬の改定を通告しました。

 「改定前は2.72km配達して、570円だったというものが、(改定後は)2.74km、さっきより多い距離なのに498円なので金額下がっちゃってる」(ウーバーイーツユニオン 前葉富雄 執行委員長)

 移動距離に応じてもらえる報酬などが引き下げられたのです。一方で、会社側は注文が多いエリアに配達した場合などに加算される「インセンティブ」を引き上げるなどしたため、「配達員の収入に影響はない」としていますが・・・

 「下がった分をおぎなうよという話だが、もしかしたら全然上がらないかもしれないし」(ウーバーイーツユニオン 前葉富雄 執行委員長)

 配達員らで作る労働組合は5日、会社側に団体交渉を申し入れましたが、会社側は「配達員は会社が雇用する労働者にはあたらない」として、団体交渉に応じない構えです。配達員がウーバーイーツの「従業員」ではなく、「個人事業主」として契約されているためで、労災保険の適用なども認められていません。組合の会見には、連合の会長も同席しました。

 「どう考えたって労働者性を持って働いている方々ですので、団交拒否というのは本来ありえない話ではないかと」(連合 神津里季生 会長)

 ウーバージャパンは団体交渉には応じない一方で、「今後も配達員の要求には真摯に向き合っていきたい」としています。(05日17:12)
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20191205-00000085-jnn-soci