麻生太郎財務相は8日の閣議後の記者会見で、50年物国債を発行する可能性について「これからの検討課題の一つ」と述べた。財務省はこれまで「検討していない」というのが公式見解だったが、麻生氏は発行に含みをもたせた。

日本国債は現在、40年債が最長となっている。麻生氏は「50年債だと(期間の短い国債より)金利が上がるから良いと需要が(市場に)あるのは確かだ」と語った。通常、満期までの期間が長いほど金利は上乗せされる傾向がある。

日銀がマイナス金利政策を実施するなか、金融機関や年金基金などは運用難に苦しんでおり、一部に新たな超長期国債を望む声がある。麻生氏は50年債を検討課題としつつ「ただちに出すわけではない」とも指摘した。

日銀の黒田東彦総裁は5日の記者会見で、50年債の発行や20〜40年債の増発について「超長期の金利が過度に下がることを防ぐという意味では意味がある」と前向きな姿勢をみせた。

2019/11/8 13:14
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51942660Y9A101C1EA4000/