(日経新聞の仕様により画像引用ができません。GAFA各社の時価総額一覧と伸び率棒グラフは元ソースでご覧下さい)
【ニューヨーク=後藤達也】米ダウ工業株30種平均が4日、史上最高値を更新した。株高をけん引しているのは、グーグルなど「GAFA」だ。底堅い米個人消費を追い風に、人工知能(AI)など技術革新で影響力を一段と強め、投資家のマネーをひき付けている。ただ、株高はカネ余りに演出された面もあり、マネー集中には危うさもある。

ダウ平均の4日の終値は先週末比114ドル高の2万7462ドルだった。最高値の更新は約3カ月ぶりで、昨年末からの上昇率は18%に達した。米中対立が和らぐなど、世界経済のリスクがひとまず後退し、投資家心理が前向きになっている。

けん引役はGAFAだ。アップルは4日も史上最高値を更新し、昨年末からの上昇率は63%に達する。米モルガン・スタンレーは10月に目標株価を289ドルと4日終値を12%上回る水準に設定した。グーグルの持ち株会社アルファベットも4日に最高値を更新した。

GAFAはスマートフォンやAIなど技術革新で寡占的に影響力を強め、規模のメリットも相まって収益を急拡大させた。QUICK・ファクトセットの集計ではGAFA4社の2019年の純利益は1171億ドルと5年前の約2倍、10年前からは8倍に膨らむ。マネーも年金基金や投資信託を中心にGAFAに集中し、4社の時価総額の合計は3兆5千億ドルと米主要500社の14%を占める。4社は世界の時価総額上位5位以内に顔を並べる。

米国の底堅い消費も株高を勢いづけている。株高が富裕層を潤しているほか、失業率は50年ぶりの低さで、低所得層の賃金も伸びている。米中対立などリスクは残るものの、「欧州や中国などと比べ、米景気は引き続き力強い」(米ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのウィン・シン氏)との見方が優勢だ。

主要500社の株価を業種別にみても、ITと消費は上昇が顕著だ。半面、金融やエネルギーはリーマン・ショック前の株高局面と比べて見劣りする。金融株は金融規制の強化や世界的な金利低下で収益源が細っている。エネルギー株の低迷は新興国経済の不安や、世界経済で製造業の存在感が低下していることを映す。

米国株の存在感は世界で高まっている。世界取引所連盟(WFE)などの集計をもとに計算すると、米国株全体の時価総額は35.9兆ドルで世界の42.4%を占める。米国株のシェアはここ数年で回復し、15年ぶりの高さになった。

ただ、株高はカネ余りに支えられている面も色濃い。30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年3度目の利下げを決定した。国際通貨基金(IMF)は「低金利が長引くと、多くの投資家が似たような資産構成となり、ショックが起こったときの逆回転が大きくなる」と警鐘を鳴らす。

株価が1株利益のどれだけ買われているかを示すPER(株価収益率)でみると、投資家のGAFA株への成長期待は大きい。アマゾンのPERは87倍と突出する。ほかの3社も20倍を超え、米国株平均の19倍を上回る。それだけ将来の収益拡大を見込まれている表れだが、仮に成長シナリオに陰りが出れば、株価は大きく調整するリスクがある。

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2019/11/5 9:48
日本経済新聞
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