ー世界を股に掛ける孫さんにとって、日本という国は特別な存在なのでしょうか。

孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長:やっぱり自分が生まれ育ったところですし、その恩も感じていますし、好きな国だし、家族も友人もたくさんいますから、日本の人々の幸せを願っています。

 多くの日本の人々が僕をまだ受け入れていないのかもしれませんが、自分は日本国籍を泣きたいほど願ってもらった人間です。恐らく多くの日本の人々よりも日本という国に感謝し、好きという気持ちを持っていると思います。

 生まれたときから日本国籍を持っている人と、泣くほど渇望してもらった人間とでは、もしかしたら愛着の深さが違うのかもしれません。

 ネットで勇ましく陰口を言う「ネット右翼」みたいな人は、ちょっとまだ愛情が薄いんじゃないかと思います。それは単なる表面的な愛情ではないでしょうか。

 幕末でも極端な「尊皇攘夷」思想の人と、本当に維新を起こしていった幕末の志士がいました。坂本龍馬たちのような純粋な深い、真の革命家がいたから僕は日本が大きく救われたと思います。僕は彼らを本当に尊敬しているんですよね。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00067/101000040/