三菱ケミカルホールディングスは1日、2020年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比23%減の1310億円になりそうだと発表した。従来予想(1%減の1680億円)から370億円下方修正した。アクリル樹脂原料「MMA」などの市況が期初想定を下回る。半導体や自動車向け部材の需要の弱含みも利益の重荷になる。

売上高にあたる売上収益は2%減の3兆7650億円を見込む。従来予想(6%増の4兆800億円)から3150億円引き下げた。原料価格の下落に伴う販売価格の低下が響いた。一時的な損益を除いた本業のもうけを示す「コア営業利益」は20%減の2500億円を予想する。従来予想から500億円下方修正した。

同日会見した伊達英文最高財務責任者(CFO)は足元の需要動向について「全般的に弱含んでいる」と話した。半導体製造装置や工作部品向けなどで「設備投資が止まっている影響で勢いがない」と説明した。半導体市況については半導体メモリーの不振で「下期は(低調な)状況が変わらない」とも語った。

併せて発表した19年4〜9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比3%減の1兆8276億円、純利益が32%減の813億円だった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2019/11/1 14:17
日本経済新聞
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