日銀の黒田東彦総裁は26日、都内で開かれた全国証券大会であいさつし、減速が続く海外経済について「持ち直しに転じるはっきりとした兆しが確認できていない」と話した。米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題、中東の地政学的リスクなどに触れ、海外経済の下振れリスクが高まりつつあるとの認識を改めて示した。

黒田総裁は海外動向が国内の経済や物価に与える影響を「しっかりと点検していく」とし、「予断を持つことなく、適切な政策運営を行っていく」と語った。日銀は19日の金融政策決定会合の公表文で「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめる次回の10月会合で経済・物価動向を点検すると明記している。
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