米アップルの日本法人アップルジャパン(東京・港)は5日、東京・丸の内で7日に開業する国内最大の直営店を報道陣に公開した。名称は「アップル丸の内」で、直営店は国内9店舗、都内5店舗の体制となる。総務省の新たな携帯料金規制など逆風も吹くなか、顧客との接点である直営店の強化でブランド力の向上をめざす。

JR東京駅丸の内南口近くのオフィスビルに開業する。都内の直営店はこれまで銀座や表参道、渋谷といった繁華街の立地が目立ったが、新店舗は観光客やビジネスマンの多い丸の内を選んだ。スタートアップなどのアプリ開発をサポートする専任チームを設け、企業との連携を深める。

タブレット端末の「iPad」などを活用したコンテンツ制作や、プログラミング、AR(拡張現実)などを体験できる無料セッションを随時開催する。アップルは自社端末を基盤としたサービスの開発に力を注いでおり、活用法の提案を強化する狙いとみられる。

アップルは2018年春に日本で直営店を強化する方針を掲げ、同年4月に東京・新宿、同年8月に京都で新店を開業した。丸の内と合わせた3店で、直営店の総面積は50%以上拡大する。立地は公表していないが、19年中にさらに1店を開業する予定という。

調査会社のMM総研(東京・港)によれば、アップルは18年度の国内スマートフォン市場でシェア49.6%を占めるトップに立っている。ただ、総務省が進める携帯端末と通信料の「完全分離」などで今後の販売環境は変化が予想される。直営店の強化で顧客との関係強化を進める。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49440230V00C19A9000000/