世耕弘成経済産業相は9日の閣議後の記者会見で、韓国への半導体材料の輸出管理を強化したことに関し「輸出管理を適切に実施するための国内運用の見直しだ。協議の対象ではなく、撤回も考えていない」と述べた。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が求める措置撤回と2国間協議を拒否した形だ。

 世耕氏は韓国側から今回の見直し措置について「事実確認を求められている」ことを明らかにした上で、「事実確認について説明することは、やぶさかではなく、事務レベルで対応したい」と語った。説明の時期については「調整する」と述べるにとどめた。

 今回の措置は、軍用品に転用が可能な技術の輸出について「韓国に実施してきた優遇措置をやめて、他国と同様の輸出管理上の扱いに戻す内容だ」と説明。安全保障上の理由のため、「世界貿易機関(WTO)違反ではない」と改めて強調した。

 今後の対応について世耕氏は、「韓国の対応次第だ」と指摘。その上で「(対象品目を)拡大する可能性もあれば、緩くすることもあり得る」と語った。韓国はWTOの紛争解決手続きの一環として2国間協議を要請する可能性もあるが、「WTOの2国間協議の要請を受けた事実は現時点でない」と述べた。

 日本政府は半導体製造に必要な「フッ化水素」など3品目を韓国に輸出する日本企業に、3年間有効な許可を優遇的に与えてきた。だが、今月4日から取引ごとに審査し輸出の可否を判断するよう厳格化した。

2019.7.9 11:44
産経ニュース
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